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……ここはPBW『シルバーレイン』『エンドブレイカー』の緋欧月・槇名のブログです。
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…皆さんこんにちは。

……この小説は、三人称だったり文章が雑だったり表現が下手だったりと見るに耐えないかもしれません(あうあう)

…しかも、虐めや虐待などの表現があり、基本的に暗い話なのでそれが苦手な方もお勧めできません(ぺこり)
…付け加えると、最後くらいは救われたような気にさせる話に出来ればなぁ…って思ってます(ぇ)

……っと、今回この過去小説の中で一番長い文章になっています。
…でも、最後まで読んで貰えたら嬉しいです♪

……と言うわけで、読んでも良い方は続きをどうぞ?





 

本を買って貰った翌日、学校に登校する前の槇名はご機嫌だった。
父からのプレゼント(父親本人はどう思って渡したのかわからないが)によって、先に希望が見えたからなのかもしれない。

この日は、いつもの静かで気まずかった朝食に、槇名が積極的に話しかけたりした。
まずは、ここから変えていかないといけない。
そう思いながら父と母に話した。それは遊園地に行きたいとか観光スポットを見に行きたいなどありきたりな話で、願望しか言えない事が少し悲しかった。

そんな槇名の話を聞いている両親の反応はそれぞれ違った。
父は相変わらず話を聞いていないかのように黙々と食べていて、母は困ったように苦笑しながらも槇名の話に相槌を打っていた。

それでも槇名は話し続けた。
家庭がおかしくなってからいつも無言だったご飯の時間。
話し続ければいつかはまた前のように明るい食卓になるんじゃないかと、小学生ながらの頭で考えてのことだから。

だが、まだ一日目だからなのか朝食は槇名が一方的に願望を話すだけで終わった。
そのことに少なからず落胆しながらも、諦めないように頬を軽く叩いて気合いを入れる。

まだこれだけで落ち込んでいられない。次は学校があるのだから。
槇名は考えた。学校ではどうしたらいいのか。
前は諦めていて、ただ時間が過ぎることを祈りながら過ごしていたため、どうしたら虐めを無くすことが出来るのか分からなかった。

絶対に逃げない?余計面白がって虐められそう。
立ち向かう?そもそもそんな勇気があったら虐めなど起きていない。
それに、相手は一人ではない。
クラス全員なのだから相当な勇気が必要で、槇名自身一人相手でもかなりキツイのに全員が相手では想像を絶する。
先生に言う?これも期待できない。槇名の担任は事勿れ主義なのか、注意するだけで追求はしないからだ。
親に言う?これ以上親に余計なことは持ち込みたくはない。だからこれも却下。

槇名はあれこれと考えていたが、結局良い案は浮かばす学校に着くことになった。
教室の中では相変わらず槇名をいないものとしてあつかっていて、気持ち悪さに吐き気がする。
だが、この状況を変えなければ到底家族の仲を元に戻すことなんて出来ない。
そう思い込むつもりで怯む心に喝を入れ、震える足で自分の机に向かって座り、そして前の席に集まっている女子のグループに向かって、

「お、おは…よう」

震えながらも勇気をもって話しかけた。しかし、女子グループの誰も槇名に向かって返事をすることもなく、自分達の話に華を咲かせている。
それを間近に見て、槇名は俯いて悲しい気持ちを無理矢理押し込む。それからまた直ぐに顔をあげ、キッ!と睨むように気合いを入れて息を吸った。

「あのっ!お、おはよう!」

途端、教室が静まり返った。突然の大声に驚いたのか、皆大声を出した本人を見ている。
周りから注目されて、槇名は一気に恥ずかしくなると同時に自分を心の中で罵った。なにもあんな大声を出さなくてもよかったのだが、無意識につい力が入ってしまったようだった。

だがそれが逆に良かったのか、言われた女子達は流石に無視をすることが出来ず、嫌そうな表情を揃ってして顔も合わせずにいたが、女子グループの一人が口を開いた。

「………おはよう」

不本意で答えたということが分かるが、槇名は内心喜んでいた。
学校で同級生から普通に返事をしてもらえるのは久しぶりで、それが今の槇名にとってとても嬉しい出来事だったから…。

「うんっ!おはよう」

もう一度、今度は笑顔で元気よく挨拶をしてから鞄の中に入っていた教科書をとって、授業の準備をするために机に仕舞い始めた。



しかし、朝の出来事で機嫌が良かったのもつかの間、直ぐにその機嫌は下降気味になっていった。

その原因はあの少年三人組だった。
今回いつもと違う槇名に、三人組はいつもよりしつこく槇名を虐めた。
最初は抵抗をしたりしていたのだが、かえってそれが相手を増長させてしまったのか虐めが酷くなる一方だった。
槇名自身いつもと違うことをしていただけに凄く疲れる。
よって、槇名の機嫌は朝の上機嫌とは打って変わって精神的な疲労が負担となって落ち込んでいた。

その少年三人の虐めに耐えながら午前の授業が全部終わった頃、お昼休みになり槇名は溜め息を付きつつ精神的な疲れをとろうと少し机に突っ伏す。

「おい!白見月!」

だが、そんな槇名に声が掛かる。
少し疲れた表情のまま顔を上げると、声を掛けたのはあの三人組の内の一人、高橋健司だった。
健司は気怠そうに見つめてくる槇名に少しムッとしながらも、直ぐに生意気そうな笑みを浮かべた。

「お前、昨日商店街に来ただろ」

一瞬、何を言っているのか頭で直ぐには理解できなかった。
何も考えられずにじっと見ていると、健司はバカにしたように笑った。

「商店街の本屋に入っていったの見たんだよ」

その一言に槇名はさっきまで疲労していた身体から疲れが吹き飛んで、その変わりに冷や汗がでてきたのが分かった。

まさか見られてたとは思わなかった槇名は、動揺しながらも答える。

「い、行った…けど…」
「それで、何か買っていったよな?」

それに槇名は血の気が引いた。
この後のことが想像出来てしまったからだ。
だが、三人でいた時は何も言わなかったのにどうしてこの時になって言うのかわからない。

「か、買ってない…ただ、見てまわっただけ」

分かりきった嘘だ。しかし槇名にとっては精一杯の嘘だった。
健司は嘘と見抜いているのか、槇名を見て意地悪い笑みを浮かべてから何故かクラスを見回す。
槇名がその行動を訝しげに思った瞬間だった。
健司はおもむろに槇名の鞄を取り上げて中身を漁り始めた。

「この中に入ってるんだろ」
「っ!?やめてっ!」

咄嗟にに叫んだ。
だが、健司はその声を無視して鞄の中身を漁っていく。
直ぐに目当ての物を見付けたのか、健司は勝ち誇ったかのように笑って、ある物をを取り出した。
それは、昨日父親から買ってもらった本「かなりや」だった。

「返してっ!」
「おっ、と」

飛び掛からんばかりに近づいた槇名だが、来る事がわかっていた健司は本を取られないように腕を上に伸ばす。
そして、健司は更に槇名をからかう為に次の行動を起こした。

「パースっ!」

そう言って、健司は近くにいた男子に本を投げたのだ。

「っ!?」

これに槇名は顔面蒼白になった。
父親が買ってくれた、槇名にとって大切な本であるのに、まるでゴミのように軽々しく投げられたのだから当然だった。
本を受け取った男子は最初、槇名と健司を見ながら戸惑っていたのだが、健司が「パスだ!パス!」と急かしたせいか、また違う男子に本を投げる。

「お願い!返してっ!」

必死に懇願する。既に泣きそうだった。
あの本のお陰で未来に希望が持てたのだ。諦めかけていたことをまたやり直そうと決意させてくれた大切なモノなのだ。
それを無くしてしまったら昔のような明るい家庭が二度と戻らなくなるかもしれない。そんな脅迫概念に囚われていた。

次第に、この本の投げ渡しはクラスの半分までおよんだ。
本を持っている男子に近づけば女子の方へ投げられ、またその女子も直ぐに他の者へ投げ渡す。
投げられた影響なのか、本は所々くしゃくしゃになり、また破れたりもした。健司はこのために今まで槇名が本を買ったことを言わなかったのだ。
クラス全員で槇名をからかう為に。

槇名は、それでも本を取り返そうと必死になった。
目が涙で見えにくくなっても、そんな槇名を見て笑っているクラスメートがいても気にする余裕なんて全くなかった。

そんな一向に諦めない槇名に、笑いながら本を回していくクラスメートの一人が受け取った本を再び健司の方へ投げ渡そうとした。
だが、それを分かっていたのか槇名は投げられると同時に健司の方へと走っていた。
これに驚いたのか、受け取った健司は直ぐに本を投げるタイミングを逸してしまい、追いついた槇名と取っ組み合うようになった。

「くっ!このっ」
「っ!」

取り返そうと何度も手を伸ばす槇名に、健司は段々と焦って来た。
前ならば、こんなになりふり構わず必死になって抵抗するような事はなかった。
最初は、何時もと違うから少し楽しめると思っていただけに、これだけ抵抗されるとは予想外だった。
だが、健司はこの本が槇名の父親から買ってもらった大切なものだとは知らないのだから当然といえば当然だろう。

あまりの必死さに、健司は本を手放そうかと思った。
十分からかったというのもあるし、流石にもうこれだけ必死にされて持ち続ける事が出来なくなりそうだったからだ。
そして健司がそれを行おうとした、その時だった。

「いてっ!」

槇名が本を取り返そうとしている最中に、その手の爪によって健司の頬に傷が付いた。
その瞬間、健司は本を手放そうかと考えていたことを忘れる程一気に血が上り、顔を真っ赤にして槇名を睨んだ。
いつも唯々諾々と従っていて、絶対に逆らって手を出すはずがないと根拠の無い自信を持っていただけに、それは大きかった。
だが槇名は健司の怒りに気付かない。ただ目の前の、希望とも言える本を自分の手に取り戻そうと執拗に手を伸ばしていた。
それがいけなかった。

「このっ!」
「きゃっ!?」

健司が怒って力任せに押して来たのに反応できず、身体のバランスを失って転ぶように後ろにさがった。
いきなりの衝撃に驚愕した槇名だったが、続けて起こった衝撃に一瞬意識を失いかけた。
耳元でけたたましい何か割れるような音が教室に響いた。その音のせいで耳が一時的に聴覚としての機能を放棄する。
何が起こったか分からず、座り込んだまま顔を上げ緩慢な動きで教室を見回す。

そこには、さっきまで槇名を笑っていたクラスメイトはいなくなっていた。
慌てている男子、顔を歪めて目を背ける女子。
それぞれ様々な反応を示しているクラスメイトだが、全員に共通しているものがある。全員が槇名を見ていた。
不思議に思った。さっきまで笑いながら自分をからかっていたクラスメイトたちがこんなに慌てている姿に、笑ってしまいそうな程槇名は酷く冷静にその風景を見詰めていた。

だがふと、右目に温かい水が垂れて来ていたことに気付く。
濡れるような事はしていないのに変だなと思いながらそれを拭って、そっとその手をみる。
手が真っ赤に染まっていた。
血だ、と理解した時には右半分の視界が赤くなっていた。
今度は額に触ってみる。そこはパックリと傷が一筋開いていた。
血はそこからせきをきったように溢れ出ている。
槇名は自分のそんな状態にも全く反応を示さなかった。

そんな、ぼぅっとしている槇名の周りでは、誰かが職員室にいったのか先生が声を出して騒ぐ生徒になにやら注意しながら駆けてくる。
それがどんな言葉なのか聞くのも億劫になっていた槇名は、段々頭がクラクラしてきて、眠気が襲ってきたように瞼が重くなるのを感じた。

(やっぱり…ダメなのかな…)

父親が買ってくれた本が未来への希望になった。
そのお陰で諦めかけていた気持ちを奮い立たせる事が出来たのに。

(結局、何も変えられないんだ…)

その希望となっていた本はゴミのように投げ渡されてボロボロにされた。まるで槇名の未来がそうであるかのように。
もう涙も出なかった。ただ未来には絶望しかないのかという思いに身体が冷めて、感情を表現することも忘れてしまったかのようになる。
でも、これでいいのかも知れない。ずっと死ぬまでこんな生活が続くなら、いっそ何も感じない方がいいのかもしれない。

(なんだか、疲れちゃった)

次第に意識が薄れていく。目の前が暗くなっていくのが分かる。
ふと…気になった事があった。

(お父さんに…買ってもらった本は…?)

それだけはこの時でも知りたかった。
虚ろな目だけで力なく見回していたその先に、探していたその本があった。
「誰か」の手にあるその本。無意識にそれを持っている人物を見上げる。
その人物は、あちこちに慌てていた生徒とも、目を背けていた生徒とも違った表情をしていた。
顔は蒼白で身体が震えているのに、まるで石になったかのように動かず、目を逸らす事も出来ずに槇名を凝視していた。

(……あ)

槇名は何故か咄嗟に手をのばしかけた。
その行動が何なのか自分でもわからず…。

(…っ…前が…暗…く……)

手をのばしたまま、遂に槇名は訪れる暗闇に身を任せて眠りに付いた。












…色々と書いてたら長くなってしまいました…。
…そして実は挿入画像入れようかと思ったけど止めました。
…絵と小説は分けた方がいいかなぁという私なりの考えです(苦笑)
…また次も間隔が空くと思います。背後さんの都合もありますし…FT小説とか…(ぉ)

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» うぅぅ・・・
槇名ちゃん…(´;ω;`)あうあう
やだやだやだ…!もう泣きそう…!

こんな辛いときに槇名ちゃんの傍にいられなかった自分が悔しいです。。
瀬菜 2009/10/09(Fri)12:18:29 編集
» 無題
…あ、あわわっ!?…瀬菜さんっ!?(あわあわ)
…な、泣かないでください(あわあわ)
…今は瀬菜さんや皆さんが居るから物凄く幸せなんです…。
…でも、そういって貰えて…凄く嬉しいですっ♪…瀬菜さん、ありがとう。…大好きです♪
槇名 2009/10/19(Mon)01:32:46 編集
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