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…皆さん、こんにちは。…前の過去話の小説から一年も経ってしまいましたね(苦笑)
…というわけで、色々とありましたが、今日からまた続けていきたいとおもいます。
……でも、三人称だったり、文章が雑だったり、表現が下手だったりと見るに耐えないかもしれません(あうあう)
……しかも、虐めや虐待などの表現があり、基本的に暗い話なのでそれが苦手な方もお勧めできません(ぺこり)
……それでも読んでも良い方は続きをどうぞ?
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槇名は困っていた。
朝、いつもの憂鬱な気分でベッドから起き、父親になにか言われないかと怯えながら朝食を済ませ、もはや夫婦とは言い難い両親に、聞こえるか聞こえないかの小さな声で行ってきますと告げて、あのギスギスした雰囲気の中から逃げるように登校してきた。
してきたは良いのだが、
「上履きがない…」
槇名の目の前には、上履きを入れて置くための靴箱がある。
だがその中に、いつも入っている肝心の上履きが無くなっていた。
どうしよう、と呟いた槇名だが別段腹を立てることはなかった。
いつものこと。槇名にとってはこうした虐めは日常の中の一部と化しているから。
だが、どうも最近いじめがエスカレートしはじめていることを槇名は感じているが、それをどうにかしようにも一人では到底無理だ。
仕方なく、そのまま上履きの無い状態で教室に行くことにした。無くした上履きはまた親に買ってもらうしかない。
その為の言い訳も考えておかないといけない。槇名は陰鬱とした溜息をつきながらトボトボ歩く。
そうして廊下を歩いていると、他の教室の中から元気に友達と話している生徒が多いのか、明るい声が耳に届く。
それが一層槇名の陰鬱な気分に拍車をかけて気分が悪くなる。
自分の教室に着いてもそれは変わらず、寧ろ槇名を故意に無視しているような雰囲気で賑わっていた。
それに対して俯き加減で静かに席についた槇名は、読み掛けの本を開いて周りの雑音を早く無くすために読み始める。
取り敢えず先生が来てくれれば、虐められることはないからそれまでの間、何事もなく時間が過ぎていってほしいと思いながら読み始めた。
しかし、そう思っていた槇名に三人組の男子が近づいてくるのを視界の隅で捕らえた。
三人とも槇名を見て笑いながら近づいてくるのは、どんな事をして困らせようか考えているからかもしれない。
この三人組は、いつも一緒になってからかってきたり、虐めてくるので、否応なしに警戒するようになった。
その三人組の中の真ん中にいる短い髪で頬に絆創膏を貼った活発そうな少年が、じっと見下ろしてきた。
同じクラスの高橋健司だ。健司は暫く見下ろしていたが、おもむろに槇名が持っていた本を奪い取るように取り上げた。
「おい、何読んでるんだよ」
「あっ!」
何かされると警戒していても、本にも集中しようとしてた為、急に行動されれば反応出来るはずも無い。
その為、本はあっさりと槇名の手を離れ、健司の手の中にに収まってしまった。
それを、怯えながらも批難するように見上げる。
きっと、何でもいいから邪魔をしたいんだと槇名は思ったが、それを口にはださなかった。
分かりきっていることを聞くこともないし、聞きたくもなかったから。
「返して…」
「何だ、漫画じゃねぇんだ。」
槇名の声が聞こえなかったのか、無視したのか、本を手にした健司はつまらなそうに言ってから隣にいる髪を上げている無愛想な少年に渡した。素直に本を返す気はないのか、色々言いながらも槇名が取り返せない位置にいる為、何も出来ない。
「お願いだから、返して…」
「いいじゃん、貸してくれよ」
「………」
健司たちが貸してくれ、と言って物が返って来た試しは一度も無い。
すべてがトイレのごみ箱や外に捨てられていたり、動物の玩具になっていたり…。
それに、ダメと言ったところでなんだかんだ言われて持って行かれるのが常(つね)なのだから、もう取り上げられたところで半ば諦めていた。
その時、予鈴が鳴りクラスの男女が次々に席に着いていく。
健司たち三人組も、槇名を見て笑いながら自分達の席にそれぞれ着こうと槇名の席から離れていく。そして、
「じゃあ、借りてくな」
そんな事をいうと、健司は本を持ったまま、槇名が何かを言うより早く自分の席に戻っていった。
それを何も出来ずに見送ることしか出来なかった槇名は、また一人で捨てられた本を探さないといけないと思いながら、俯いて諦めたように溜息をついた。
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…実は、美海さんの小説に感化されて書くようになったことは秘密です(ぁ)
…では、続きの小説までまたですよ♪
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